終活・葬儀

はじめて喪主を務めるあなたへ:準備から挨拶までの実務ガイド

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結論この記事の答え

死亡届の期限(死亡を知った日から)

7日以内[1]

葬儀社が提出を代行することが多い手続きです

  1. 葬儀後は死亡届(7日以内)、年金(10日・14日以内)、相続放棄(3か月以内)など期限のある手続きが続く。
  2. 喪主の仕事は「決めること」と「挨拶」。葬儀社の担当者と親族を頼り、一人で抱えない。
  3. 葬儀社との打ち合わせでは、項目ごとの金額と「追加料金込みの総額」を書面でもらう。

うちの期限を計算する

収納箱と机、カレンダーのある部屋のイラスト
要点(喪主の実務)
期間通夜と葬儀・告別式で2日が一般的葬儀後も数か月、期限のある手続きが続く
窓口葬儀社・菩提寺・市区町村役場
死亡届死亡を知った日から7日以内[1]戸籍法第86条
年金の死亡の届出厚生年金10日以内・国民年金14日以内[3]マイナンバーが登録されていれば原則省略可
相続放棄・限定承認相続の開始を知った時から3か月以内[6]

親が亡くなり、はじめて喪主を務めることになった方、またはその日に備えておきたい方へ。この記事では、喪主の役割・準備・挨拶・服装・葬儀後の手続きを時系列で整理しました。

親子ナビ編集部は葬祭業の専門家ではありません。地域や宗派によって慣習は異なるため、最終的には葬儀社・菩提寺・市区町村の窓口に確認してください。

喪主とは(施主との違い・誰が務めるか)

喪主とは、葬儀の代表者として遺族をまとめ、参列者・宗教者・葬儀社との窓口になる人です。法律で決められた役割ではなく、慣習として故人に最も近い遺族が務めます。

喪主と施主の違い
比べる項目喪主施主
役割葬儀の代表者葬儀費用を負担し、運営を担う人
誰が務めるか配偶者や子が多い喪主と同じ人が兼ねるのが一般的
挨拶通夜・告別式・会食で行う喪主と別の場合は原則行わない
会葬礼状の差出人喪主名―
2026年10月6日 時点で確認した内容です。

誰が喪主を務めるか

慣例では配偶者、次いで子が務めることが多いとされてきました。最近は「故人と近く、葬儀の準備を実際に進められる人」が務めるケースも増えています。

配偶者が高齢で難しい場合は「喪主は配偶者、実務は子」と分けることもあります。家族で意見が分かれそうなときは、葬儀社の担当者を交えて話すと角が立ちにくくなります。

喪主に求められる8つの役割

喪主の仕事をひと言でいえば「決めること」と「挨拶」です。

役割 主な内容
葬儀社の選定・契約 見積もりを比べ、規模・費用・形式を決める
葬儀の形式・規模の決定 家族葬・一般葬・一日葬・直葬などから選ぶ
菩提寺・宗教者への連絡 読経の依頼、戒名、お布施の確認
親族・関係者への訃報連絡 電話・メッセージなどで連絡
通夜・葬儀での挨拶 通夜・告別式・会食で挨拶
香典・供物の管理 受付係への指示、芳名帳・香典帳の保管
葬儀後のお礼 菩提寺・近所・お世話になった方へのお礼
手続きの取りまとめ 死亡届・年金・相続などの手続き

すべてを一人で抱えないこと

役割は多く、はじめての人が一人ですべてをこなすのは困難です。葬儀社の担当者に遠慮なく質問する・親族で役割を分担するの2点を意識するだけで、負担は大きく変わります。

迷ったら「こういう場合、皆さんどうされていますか?」と聞いてみましょう。

亡くなった当日にやる5つのこと

  1. 死亡確認・死亡診断書の受け取り

    死亡届に必要な、すべての手続きの起点になる書類です。

    どこで:病院や在宅医療のチーム

    書類:死亡診断書(または死体検案書)

  2. 葬儀社への連絡・搬送の依頼

    決めていなければ、搬送だけを先に頼み、葬儀の契約は落ち着いてから比べることもできます。

  3. 菩提寺への連絡

    読経・戒名・日程を相談します。菩提寺がない場合は葬儀社に相談します。

  4. 近親者への連絡

    日程が決まっていなければ「決まり次第あらためて連絡します」と伝えます。

  5. 葬儀社との最初の打ち合わせ

    規模・形式・日程・費用の大枠を決めます。急かされても、見積書は必ず書面で受け取りましょう。

葬儀社を事前に決めておくと慌てない

亡くなってから葬儀社を探すと、比べる材料がないまま契約しがちです。国民生活センターにも、葬儀の料金や説明不足に関する相談が寄せられています[10]。

親が高齢になったら、元気なうちに複数社の見積もりを取って目星をつけておくと、いざという時に落ち着いて判断できます。

葬儀社との打ち合わせで確認すべき10項目

はじめての喪主にとって、打ち合わせはもっとも難しい場面です。言われるまま決めていくと、総額が想定より大きくなることがあります。

項目 確認すること 見落とすと
葬儀の形式 家族葬・一般葬・一日葬・直葬 規模の認識がずれる
想定参列者数 返礼品・料理の数に直結 多めに発注して費用が増える
祭壇のグレード 白木祭壇・花祭壇のランク 上位を勧められがち
棺・骨壺のグレード 素材・装飾による価格差 残らない部分に費用をかけすぎる
安置料 安置場所・日数による加算 日数が延びて想定外の追加
ドライアイス代 1日あたりの金額 火葬待ちで日数が延びると増える
火葬料・斎場使用料 公営か民営か 地域の事情で差が大きい
通夜振る舞い・精進落とし 料理の単価×人数 飲食は意外と高くなる
返礼品 当日返しか後日送付か 余った分を返品できるか
追加料金の条件 見積もり外で追加され得る項目 総額が見積もりより大きく膨らむ

「総額」を必ず聞く

個別の項目に気をとられて、「結局いくらになるのか」を聞き忘れがちです。「参列者◯人で、追加料金込みの総額はいくらですか?」と確認し、書面で受け取りましょう。

お布施は葬儀社の請求書には載らないため、菩提寺に直接「皆さまはどのくらいお包みされていますか」と尋ねるか、葬儀社を通じて確認します。

ほかの葬儀社の見積もりとも比べて決めることをおすすめします。

通夜・葬儀当日の流れ

地域や宗派で異なりますが、仏式の家族葬の一般的な流れの例です。喪主は受付開始より前に会場に入り、葬儀社・宗教者と最終確認をします。

  1. 納棺

    立ち会い、愛用品を納めます。

  2. 会場入り・最終確認

    葬儀社・寺院と進行を確認します。

  3. 受付開始・親族集合

    受付係への指示と、親族へのあいさつをします。

  4. 通夜開式・読経・焼香

    喪主席に着席し、喪主から焼香します。

  5. 閉式・喪主挨拶

    参列へのお礼を述べます。

  6. 通夜振る舞い

    各席へお礼に回ります。

  1. 会場入り・受付準備

    葬儀社と最終確認をします。

  2. 葬儀・告別式

    読経・弔辞・弔電・焼香。喪主は焼香の先頭です。

  3. 閉式・喪主挨拶・出棺

    会葬へのお礼を述べ、お別れの儀の後に出棺します。

  4. 火葬

    炉前の読経に立ち会います。

    どこで:火葬場

  5. 収骨(お骨上げ)

    喪主から収骨します。初七日法要を繰り上げて行う場合もあります。

  6. 精進落とし

    開会と締めの挨拶をします。

時刻は火葬場の予約時間によって前後します。

喪主挨拶の例文4パターン

喪主挨拶は短く・原稿を見ながらでよい・声が震えても問題ないが基本です。①参列へのお礼 ②故人の人柄に触れる一言 ③今後のお付き合いのお願いの3点があれば十分です。

①通夜の挨拶

本日はお忙しいなか、亡き父〇〇の通夜にお運びくださいまして、誠にありがとうございます。父は〇月〇日、〇〇歳で永眠いたしました。生前は皆様に大変お世話になり、家族一同、心より御礼申し上げます。明日の葬儀・告別式は〇時より執り行います。お時間が許すようでしたら、どうぞお見送りいただければと存じます。本日は誠にありがとうございました。

②告別式・出棺前の挨拶

本日はご多用のなか、亡き父〇〇の葬儀・告別式にご会葬を賜り、誠にありがとうございました。生前、父が皆様より賜りましたご厚情に対し、遺族一同、心より御礼申し上げます。父は〇月〇日、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。〇〇歳でございました。今後とも残された家族に変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

③精進落とし 開会の挨拶

本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで父〇〇を無事に送り出すことができました。ささやかではございますがお膳を用意しておりますので、父の思い出話などお聞かせいただきながら、ごゆっくりお過ごしください。

④精進落とし 締めの挨拶

皆様、本日は長時間にわたりお付き合いいただき、誠にありがとうございました。皆様から父との思い出をお聞かせいただき、家族にとって何よりの時間となりました。これにてお開きとさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。

挨拶のコツ

  • 原稿を見ながらでよい:無理に暗記しなくて構いません。
  • 長くしない:お礼が伝われば十分です。
  • 忌み言葉を避ける:「重ね重ね」「たびたび」「再び」など、繰り返しや続くことを連想させる言葉は避けます。
  • 声が震えてもよい:深呼吸して読み直しても失礼ではありません。

服装・持ち物チェックリスト

最近は喪主も準喪服(ブラックフォーマル)を着ることが一般的になっています。

正喪服 準喪服
男性 モーニングコート、または紋付羽織袴 ブラックスーツ・白シャツ・黒無地のネクタイ・黒い靴
女性 黒無地の和装、またはブラックフォーマルのワンピースなど 黒のワンピース・スーツ・アンサンブル(肌の露出を控える)
アクセサリー 結婚指輪のみ 一連の真珠のネックレス程度(二連は「重なる」として避ける)

持ち物

  • 数珠
  • 白または黒の無地のハンカチ
  • 袱紗(お布施を包む。弔事用の紫・グレー系)
  • 挨拶の原稿
  • 現金(お布施・心付け・当日の追加支払い用)
  • 印鑑(契約・手続き用)
  • 故人と喪主の本人確認書類
  • 携帯電話の充電器
  • 替えのストッキング(女性)

事前に知っておくと防ぎやすい3つのつまずき

香典返しを後日送ると手間がかかる

参列者が想定より多いと、後日の発送では芳名帳の整理・住所の確認・発送手配に時間がかかります。当日にお渡しする「当日返し」にしておくと、その場で完結します。

返礼品の数は少し多めに用意し、余った分を返品できるか事前に確認しておきましょう。

見積もりを1社だけで決めてしまう

病院から紹介された葬儀社にそのまま依頼すると、比べる材料がないまま契約することになります。搬送と葬儀本体は別の契約と考え、搬送だけ依頼してから比べることもできます。

お布施の金額を確認しないまま当日を迎える

「お気持ちで」と言われて金額がわからず、当日に慌てることがあります。事前に菩提寺へ直接尋ねるか、葬儀社を通じて目安を確認しておきましょう。

葬儀後にやること(期限のある手続き)

葬儀が終わってからの数か月も、喪主にとって大切な期間です。期限のある手続きが続くため、リストにして管理することをおすすめします。

葬儀後の主な期限

  1. 起点

    亡くなった日(死亡・相続の開始を知った日)

  2. 7日以内

    死亡届の提出(市区町村役場。葬儀社が代行することが多い)[1]

    戸籍法 第86条

  3. 10日以内

    年金受給者の死亡の届出(厚生年金・年金事務所)[3]

  4. 14日以内

    年金受給者の死亡の届出(国民年金・年金事務所)[3]

  5. 変更から14日以内

    世帯主の変更届(市区町村役場。不要な場合もある)[2]

    住民基本台帳法 第25条

  6. 3か月以内

    相続放棄・限定承認の検討(家庭裁判所)[6]

  7. 4か月以内

    準確定申告(税務署)[7]

  8. 10か月以内

    相続税の申告・納付(税務署)[8]

  9. 2年で時効

    埋葬料(費)の請求(協会けんぽの場合。国保の葬祭費は市区町村に確認)[4]

  10. 3年で時効

    生命保険金の請求(請求できる時から。早めに)[5]

    保険法 第95条

年金の死亡の届出は、マイナンバーが登録されていれば原則省略できます。準確定申告と相続税の期限は、知った日の翌日から数えます。

うちの期限を計算する

期限の決まっていない手続きも、早めに進めましょう。

  • 火葬許可証の受け取り(火葬の前・市区町村役場)
  • 健康保険・介護保険の資格喪失(市区町村・加入先の案内に従う)
  • 未支給年金の請求(できるだけ早めに・年金事務所)
  • 公共料金・通信契約の名義変更・解約(各事業者)
  • 銀行口座の手続き・残高証明(各金融機関)

葬式費用は相続税の計算で差し引ける

通夜・葬儀・火葬・お布施などの葬式費用は、相続税の計算で遺産から差し引けます[9]。香典返しの費用、墓石や墓地の購入費、初七日などの法事の費用は対象外です。

領収書がもらえないお布施や心付けは、支払先・金額・日付をメモに残しておきましょう。

実家の片付けや遺品整理の進め方は、実家の片付け・遺品整理の費用と進め方もあわせてご覧ください。

親族・参列者対応のコツ(揉めやすいパターン)

葬儀は、普段会わない親族が集まる場です。揉め事は葬儀そのものより、規模・費用・お墓・相続のまわりで起きやすい傾向があります。

  • 「家族葬にしたい」が親族に不評:故人の意向であることを丁寧に説明し、参列できなかった方には後日あらためてお知らせやお礼をします。
  • 喪主ときょうだいで費用負担が揉める:「いったん立て替えて、相続の中で精算しよう」と最初に共有しておくと角が立ちにくくなります。
  • 香典の扱い:香典の使い道や管理方法は、最初にきょうだいで共有しておきましょう。

喪主の負担を軽くする5つのコツ

  • 葬儀社の担当者を頼る:わからないことはその場で質問する
  • 挨拶は原稿を見ながらでよい:暗記は不要
  • 香典の記録は1冊のノートにまとめる:後のお礼状づくりが楽になる
  • 葬儀後の手続きはリストにする:上の期限を印刷して、終わったものから消していく
  • 親族に役割を割り振る:受付・会計・連絡係を分担する

死亡後の手続きをまとめた案内を用意している市区町村もあるので、自治体のウェブサイトもあわせて確認してください。

始める前に確認すること

※チェックはこの端末にだけ保存されます

よくある質問

配偶者と子のどちらが喪主を務めるべき?

慣例では配偶者が務めることが多いですが、配偶者が高齢や体調不良の場合は子が務めることもよくあります。「喪主は配偶者、実務は子」と分ける方法もあります。家族で話し合い、葬儀社にも相談しながら決めて構いません。

香典を辞退したい場合の伝え方は?

訃報の連絡で「故人の遺志により、ご香典・ご供物・ご供花は固くご辞退申し上げます」と明記し、当日も受付に表示します。それでも置いていかれた場合は、後日お礼の品や連絡をするのが丁寧です。

弔電が届いたらどう扱えばいい?

葬儀・告別式の中で司会者が読み上げるのが一般的です。差出人名と読み上げる順番を葬儀社と事前に整理し、後日お礼状を送ります。

家族葬での挨拶は省略してもいい?

少人数でも、通夜・告別式・会食の場で短い挨拶をするのが一般的です。「本日はお集まりいただきありがとうございます」程度の短いもので十分です。

葬儀費用は誰がどこまで負担する?

喪主がいったん支払い、後で相続人どうしで精算することが多いです。最初に「いったん立て替えて、相続の中で精算しよう」ときょうだいと合意しておくと、揉め事を防げます。

まとめ:次にやること

喪主の仕事は「決めること」と「挨拶」です。今日からできる準備として、次の3つから始めましょう。

  1. 親と「葬儀の希望」を一度話す
  2. 葬儀社を複数社、事前に比べておく
  3. 葬儀後の手続きと期限のリストを家族で共有する

出典

記事内の金額・期限・制度は 2026年10月6日 時点で確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に必ず公式情報をご確認ください。

公的な資料

  1. [1]戸籍法(e-Gov法令検索)第86条(死亡の届出)確認日 2026年10月6日
  2. [2]住民基本台帳法(e-Gov法令検索)第25条(世帯変更届)確認日 2026年10月6日
  3. [3]日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき確認日 2026年10月6日
  4. [4]全国健康保険協会(協会けんぽ)ご本人・ご家族が亡くなったとき(埋葬料・埋葬費)確認日 2026年10月6日
  5. [5]保険法(e-Gov法令検索)第95条(消滅時効)確認日 2026年10月6日
  6. [6]裁判所 相続の放棄の申述確認日 2026年10月6日
  7. [7]国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)確認日 2026年10月6日
  8. [8]国税庁 No.4205 相続税の申告と納税確認日 2026年10月6日
  9. [9]国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用確認日 2026年10月6日
  10. [10]国民生活センター 墓・葬儀サービス(相談事例)確認日 2026年10月6日