終活・葬儀

実家の片付け・遺品整理の費用と進め方|相続前の注意点と業者選びの5基準

※本記事は広告を含みます。掲載順や評価は親子ナビ編集部の基準によるもので、広告主の指示ではありません。掲載の基準を見る ›

結論この記事の答え

相続放棄・限定承認の期限(相続の開始を知った時から)

3か月以内[4]

放棄を検討しているうちは、遺品を処分・売却しないでください

  1. 相続放棄の期限は相続の開始を知った時から3か月以内。放棄の可能性があるうちは、遺品を処分・売却しない(相続を承認したとみなされることがある)。
  2. 費用は「部屋の広さ」より「物の量・運び出しやすさ・オプション」で決まる。必ず複数社の訪問見積もりを比べる。
  3. 家庭の不用品を回収できるのは市区町村の許可・委託を受けた業者だけ。無許可の回収業者は使わない。

PRライフリセットで無料見積もりを取る

収納箱と机、カレンダーのある部屋のイラスト
要点(実家の片付け・遺品整理)
相続放棄・限定承認相続の開始を知った時から3か月以内[4]家庭裁判所へ申述。判断が済むまで処分・売却しない
準確定申告相続の開始を知った日の翌日から4か月以内[6]故人に申告が必要な所得がある場合
相続税の申告・納付死亡を知った日の翌日から10か月以内[7]課税される場合
費用物の量・運び出しやすさ・オプションで決まる訪問見積もりを複数社で比べる
困ったとき消費者ホットライン188[9]

親が亡くなって実家の片付けが必要になった方、親が施設に入って家を空けることになった方へ。

実家の片付け・遺品整理は、「どのくらい費用がかかるか」と同時に、「相続の手続きとどう関係するか」を知ってから進めることが大切です。順番を間違えると、相続放棄ができなくなったり、大切な書類を捨ててしまったりすることがあります。

この記事では、費用の決まり方、進める順番、相続の期限、業者選びの基準、トラブルの防ぎ方、実家を売る場合の考え方までを整理します。

親子ナビ編集部は遺品整理業者・法律の専門家ではありません。相続に関わる判断は、司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。

遺品整理の費用はどう決まるか

遺品整理の料金は、間取りだけでは決まりません。同じ間取りでも、物の量や建物の条件で見積額は大きく変わります。

費用を左右する要素 内容
物の量 家具・家電・衣類・本などの量。処分する量が多いほど、作業人数・車両・処分費が増える
運び出しやすさ エレベーターの有無、階数、トラックを止められる場所、通路の広さ
作業の内容 仕分け・梱包・搬出・清掃のどこまで頼むか
オプション 仏壇や人形の供養、ハウスクリーニング、特殊清掃、エアコンの取り外しなど
買取の有無 売れる物があれば、買取額を費用から差し引ける場合がある

見積もりは「訪問」で、項目ごとに

物の量は写真や間取りだけでは正確にわかりません。実際に家を見てもらったうえでの見積もりを、複数社から取って比べましょう。

国民生活センターは、遺品整理サービスの相談例として「高額なキャンセル料を請求された」「作業当日に追加料金を請求された」「残すはずの遺品を処分された」などを紹介しています。そのうえで、複数社の見積もりを比べること、見積書の内容・キャンセル料・作業内容を事前に確認することを呼びかけています[1]。

見積書で確認すること ポイント
作業の範囲 仕分け・搬出・清掃のどこまでが含まれるか
処分費 処分する物の量と、その費用がいくらか
追加料金の条件 当日に物が多かった場合などに、いくら追加されるか
キャンセル料 いつから、いくらかかるか
買取 買い取る物と金額、費用から差し引くのか別に支払うのか

実家の片付けを進める順番

遺品整理は「捨てる作業」から始めないことが大切です。次の順番で進めると、トラブルを防ぎやすくなります。

  1. 相続人で方針を話し合う

    いつ・誰が・どこまで片付けるか、費用をどう分担するかを決めます。

  2. 貴重品・重要書類を探す

    書類:遺言書・通帳・キャッシュカード・権利証(登記識別情報)・保険証券・年金関係の書類・印鑑・借入れの書類

  3. 相続放棄の可能性を確認する

    借金が多いなど、相続放棄を検討する場合は処分・売却をしません(次の章)。

  4. 残す物・形見分けを決める

    相続人全員で確認してから分けます。

  5. 売れる物を査定する

    貴金属・ブランド品・骨董品などは、処分の前に買取査定を検討します。

  6. 処分する

    どこで:市区町村のルール、または許可を受けた業者

  7. 実家をどうするか決める

    売る・貸す・住む・空き家として管理する、のどれかを選びます。

相続放棄を検討しているなら、処分しない

相続放棄の申述は、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に、故人の最後の住所地の家庭裁判所に行います[4]。

放棄するかどうか迷う場合は、片付けを始める前に司法書士・弁護士へ相談してください。手続きの流れは相続放棄の流れで整理しています。

遺言書が出てきたら

自筆の遺言書(法務局に保管されていないもの)を見つけたら、家庭裁判所で検認の手続きが必要です[5]。

封がしてある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立ち会いのもとで開封することになっているため、その場で開けないようにしましょう。公正証書遺言や、法務局に保管された自筆証書遺言は検認が不要です。

実家の片付けと相続の期限

片付けを始める時期に決まりはありませんが、相続の手続きには期限があります。

片付けと関係する相続の期限

  1. 起点

    亡くなった日(相続の開始を知った日)

  2. 3か月以内

    相続放棄・限定承認(判断が済むまで遺品を処分・売却しない)[4]

  3. 4か月以内

    準確定申告(源泉徴収票・医療費の領収書などを探す)[6]

  4. 10か月以内

    相続税の申告・納付(財産の評価に必要な書類や、価値のある品物を把握する)[7]

準確定申告と相続税の期限は、知った日の翌日から数えます。

うちの期限を計算する

ほかにも、賃貸住宅なら退去までの家賃、持ち家なら固定資産税や管理の手間がかかります。

四十九日などで親族が集まる機会に、形見分けまで進める家庭も多いです。気持ちの整理がつかないうちは無理に急がず、期限のある手続きを優先しましょう。

業者選びの5基準

  • 一般廃棄物の扱いが適法か:環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できないと案内しています[2]。遺品整理業者が処分をどのように行うのか(自社で許可を持つか、許可業者と提携しているか)を確認しましょう。
  • 買取をするなら古物商許可があるか:買取を含むプランでは、古物商の許可番号を確認します。
  • 見積書が項目別で明朗か:「一式◯万円」ではなく、作業内容・処分費・追加料金の条件が分かれているか。
  • キャンセル料と追加料金の条件が書面で示されるか:国民生活センターの相談例でも多いポイントです。
  • 残す物と処分する物の区別を確認する手順があるか:作業前に「残す物リスト」を共有し、作業中に迷った物は確認してもらうよう依頼します。

必ず複数社の見積もりを取り、内訳と条件を比べてから決めましょう。

よくあるトラブルと回避策

  • 当日の追加料金:物が想定より多かった場合の追加料金の計算方法を、契約前に書面で確認します。
  • キャンセル料:見積もりの場で急かされて契約しないこと。キャンセル料がいつから発生するかを確認します。
  • 大切な物の誤処分:写真・手紙・書類など、残したい物は事前に別の部屋にまとめるか、目印をつけておきます。
  • 親族間のもめごと:「あれを勝手に捨てた」というトラブルを防ぐため、処分の前に相続人全員の了解をとっておきましょう。

トラブルになったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます[9]。

売れる物は処分の前に査定を

遺品の中に貴金属・ジュエリー・時計・ブランド品・骨董品などがあれば、処分する前に買取査定を検討しましょう。売れた分は片付け費用の足しにできます。

ただし、相続放棄を検討している場合は売却しないでください(前述)。また、売却した代金は相続財産の一部になるため、相続人の間で扱いを決めておきましょう。

自宅に来てもらって査定を受けられる出張買取サービスもあります。査定の対象品目や対応エリア、査定額に納得できない場合の扱いを事前に確認してください。出張買取ウリエルで無料査定を依頼する

ダイヤモンドやジュエリーが中心なら、宝石の買取を扱う業者の査定を比べる方法もあります。形見分けや税金、査定を受けるときの注意点は「ダイヤモンド・ジュエリーの相続と買取」で整理しています。

片付けの後、実家をどうするか

実家の片付けは、実家を売る・貸す・住むのどれを選ぶかと深く関わります。

売却するなら、片付けや解体の費用、仲介手数料、譲渡所得にかかる税金などを差し引いた手取り額で考えることが大切です。相続した空き家の売却では、条件を満たせば税金の特例を使える場合もあります[8]。

売却の具体的な手順は、相続した実家を売却する流れで整理しています。相続全体の手続きは相続・実家の記事一覧もご覧ください。

始める前に確認すること

※チェックはこの端末にだけ保存されます

よくある質問

遺品整理の費用は誰が払う?

相続人のうち誰かが立て替え、相続人どうしで精算するのが一般的です。誰がどれだけ負担するかを最初に話し合い、見積書と領収書は保管しておきましょう。

片付けの途中で遺言書や通帳が出てきたら?

作業を止めて相続人全員に共有してください。自筆の遺言書(法務局に保管されていないもの)は家庭裁判所での検認が必要で、封がしてある遺言書は家庭裁判所で開封します。勝手に開けないようにしましょう。

仏壇や神棚はそのまま処分していい?

処分の前に、菩提寺や近くの寺社で閉眼供養(魂抜き)などを行う家庭が多いです。宗派や地域で考え方が異なるため、まずお寺に相談しましょう。業者が供養の手配を代行する場合もあります。

賃貸住宅の場合は原状回復が必要?

賃貸借契約の内容に従います。退去日によって家賃がかかり続けるため、管理会社や大家さんと退去の時期・原状回復の範囲を早めに確認しましょう。

業者に頼まず家族だけで片付けられる?

可能ですが、物の量が多い家では何日もかかり、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。貴重品の捜索や形見分けは家族で行い、大型家具の搬出や大量の処分は業者に任せるなど、分担するのも方法です。

まとめ:次にやること

実家の片付けは、捨てる作業から始めず、相続の期限と業者の選び方を確認してから進めるのが安全です。次の3つから始めましょう。

  1. 相続人で方針と費用の分担を話し合い、貴重品・重要書類を探す
  2. 相続放棄の可能性を確認する(ある場合は処分・売却しない)
  3. 許可や委託の有無を確認したうえで、複数社の訪問見積もりを比べる

出典

記事内の金額・期限・制度は 2026年10月6日 時点で確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に必ず公式情報をご確認ください。

公的な資料

  1. [1]国民生活センター こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日)確認日 2026年10月6日
  2. [2]環境省 廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!確認日 2026年10月6日
  3. [3]民法(e-Gov法令検索)第921条(法定単純承認)確認日 2026年10月6日
  4. [4]裁判所 相続の放棄の申述確認日 2026年10月6日
  5. [5]裁判所 遺言書の検認確認日 2026年10月6日
  6. [6]国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)確認日 2026年10月6日
  7. [7]国税庁 No.4205 相続税の申告と納税確認日 2026年10月6日
  8. [8]国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例確認日 2026年10月6日
  9. [9]消費者庁 消費者ホットライン(188)確認日 2026年10月6日

あわせて使いたいデータ・ツール