介護

寝たきりの親に出張カット【訪問美容サービスの料金・選び方ガイド】

結論この記事の答え

  1. 病気などで美容所に行けない人への出張の美容は、美容師法施行令で認められている。施術できるのは美容師(理容師)免許を持つ人だけ。
  2. 料金は「施術料+出張費」が基本。介護保険の対象ではなく自費(自治体の助成がある場合も)。
  3. 免許・届出、衛生管理、総額の見積もり、キャンセルの条件を確認して選ぶ。
家と介護施設、福祉車両を道でつないだイラスト
要点(訪問美容)
対象病気などで美容所に来られない人[2]
施術する人美容師(理容師)の免許を持つ人[1]
費用施術料+出張費(全額自己負担)[3]自治体によっては理美容の助成がある
相談先地域包括支援センター・ケアマネジャー

「親が寝たきりで美容室に連れて行けない」「認知症が進んで外出を嫌がるようになった」——介護が始まると、それまで当たり前だった髪を切る・整えることが大きな壁になることがあります。

そんなときの選択肢が、美容師が自宅や施設に来てくれる訪問美容(出張カット)です。この記事では、訪問美容が法律でどう扱われているか、料金の仕組み、業者の選び方、利用の流れを整理します。

親子ナビ編集部は医療・法律の専門家ではありません。サービスの利用判断は、ケアマネジャーや主治医にも相談してください。

訪問美容とは(美容師法での扱い)

訪問美容とは、美容師(または理容師)が利用者の自宅や入所施設に出向き、カット・シャンプー・カラーなどを行うサービスです。「出張カット」「在宅美容」とも呼ばれます。

つまり、病気などで外出が難しい高齢者は、法令上も出張での美容の対象になっています。施術できるのは美容師(理容師)の免許を持つ人だけです。

また、出張での美容について、事前の届出などを条例で求めている自治体もあります。業者を選ぶときは、免許と届出の状況を確認しましょう。

訪問美容が役立つ典型的なケース

寝たきりで美容室への移動が難しい

車いすへの移乗、タクシーの手配、美容室で座っていることのすべてが大きな負担になります。訪問美容なら、ベッドの上など本人の状態に合わせた姿勢で施術してもらえる場合があり、家族の付き添いの負担も減ります。

認知症で外出を嫌がる・混乱する

慣れない場所で混乱しやすい場合、「いつもの部屋」で施術を受けられる訪問美容は本人の負担を減らせます。毎回同じ美容師に来てもらえる業者を選ぶと、さらに安心につながります。

退院直後で長時間の外出ができない

入院中に伸びた髪を整えたいけれど、体力が戻らず外出が難しい時期の、単発の利用にも向いています。

施設に入所していて外出しにくい

施設によっては外出に家族の同行や申請が必要です。提携の訪問美容を利用できる施設も多いですが、別の業者を頼みたい場合は施設の許可が必要です。

料金の仕組み

訪問美容の料金は、「施術料」+「出張費」の2つで構成されるのが基本です。

訪問美容の料金の内訳

施術料 + 出張費 + その他 = 総額

  • 施術料

    メニューごとの料金

    カット・シャンプー・カラー・パーマ・顔そりなど。ベッド上での施術など、状態によって変わるか確認

  • 出張費

    業者により異なる

    エリア内無料・一律料金・距離に応じた加算などさまざま

  • その他

    業者により異なる

    指名料・キャンセル料・駐車場代など

総額

地域・業者・メニューで大きく変わります

※料金は業者ごとに異なります。問い合わせの時点で総額の見積もりを取ってください。

料金は地域・業者・メニューによって大きく異なるため、問い合わせの時点で総額の見積もりを取りましょう。同じ家で複数人が施術を受けると、出張費が1回分で済む業者もあります。

介護保険は使える?

訪問美容は介護保険のサービスではなく、原則として全額自己負担です。厚生労働省の「介護保険制度の概要」でも、施設などで提供される理美容代は、利用者が負担する日常生活費の例として挙げられています[3]。

ただし、市区町村が独自に、寝たきりの高齢者などを対象とした訪問理美容の助成を行っている場合があります。対象や内容は自治体ごとに異なるので、お住まいの市区町村の高齢福祉の窓口に問い合わせてみましょう。

訪問美容と美容室通いの比較

訪問美容と美容室通いの違い
比べる項目訪問美容美容室に付き添って通う
費用施術料+出張費施術料+移動の費用(タクシー・介護タクシーなど)
家族の付き添い自宅で対応できる移動・待ち時間を含めて付き添いが必要
本人の体力の負担少ない移乗・移動・座っていることの負担がある
安心感慣れた場所で受けられる環境の変化で混乱することがある
2026年10月6日 時点で確認した内容です。

施術料だけを比べると訪問美容のほうが高いこともあります。ただ、移動の費用や付き添いの時間、本人の負担まで含めて考えると、選択肢として検討する価値があります。

業者の選び方5ポイント

①美容師免許と届出を確認できるか

公式サイトや問い合わせで、施術者が美容師(理容師)免許を持っているか、自治体への届出が必要な場合に届け出ているかを確認しましょう。

②衛生管理

高齢者は感染症にかかりやすいため、ハサミやコームを1人ごとに消毒・交換しているか、スタッフの手指衛生などの対策を確認しましょう。

③予約方法

電話のみだと、家族が日中に対応できないこともあります。Webやメッセージアプリで予約できると、夜間や休日にも申し込みやすくなります。

④支払い方法

当日の現金払いのみの業者もあります。家族が遠方に住んでいる場合は、カード払いや後日の請求書払いに対応しているかを確認しましょう。

⑤対応エリアと出張費

「全国対応」でも、地域によっては出張費が高くなることがあります。初回の問い合わせで総額の見積もりを取りましょう。

利用までの流れ

  1. 問い合わせ

    希望日時、施術内容、本人の状態(寝たきり・車いす・座っていられるか)を伝えます。

  2. 見積もり・予約

    総額(施術料+出張費)を確認して日時を決めます。施術する場所や、床の養生などを相談します。

  3. 当日の準備

    業者の指示に合わせて、タオルや新聞紙などを用意します。

  4. 施術

    本人の体調に合わせて、休憩を挟みながら行います。

  5. 後片付け・支払い

    片付けの範囲と支払い方法を事前に確認しておきます。

訪問美容の探し方

お住まいの地域の地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すると、地域で利用されている業者の情報を教えてもらえることがあります。入所中の施設がある場合は、施設に提携の訪問美容があるかも確認しましょう。

外出が難しくなった親にとって、髪を整えることは気分を明るくするきっかけにもなります。まずは問い合わせて、料金とサービス内容を確認するところから始めてみてください。

外出が難しくなった親の暮らしを支える方法としては、離れていても様子を確認できる見守りサービスや、食事の用意を助ける高齢者向け宅配食サービスもあります。

始める前に確認すること

※チェックはこの端末にだけ保存されます

よくある質問

夫婦や親子で同時に施術してもらえますか?

対応している業者が多く、出張費が1回分で済む場合もあります。予約時に人数を伝えて、総額を確認しましょう。

出張費はかかりますか?

業者によって、エリア内は無料・一律料金・距離に応じた加算など方針が分かれます。最初に総額の見積もりを取ってください。

介護保険は使えますか?

訪問美容は介護保険のサービスではなく、原則として全額自己負担です。市区町村によっては、寝たきりの高齢者などを対象とした理美容の助成を行っている場合があるので、高齢福祉の窓口に問い合わせてみましょう。

当日キャンセルはできますか?

キャンセル料の規定は業者によって異なります。体調が変わりやすい高齢者向けのサービスなので、申し込み時に必ず確認しておきましょう。

まとめ:次にやること

訪問美容は、外出が難しい親の髪を自宅や施設で整えてもらえるサービスです。まずは次の3つから始めましょう。

  1. 地域包括支援センターやケアマネジャーに業者の情報を聞く
  2. 免許・衛生管理・総額の見積もりを確認する
  3. 市区町村に訪問理美容の助成があるか問い合わせる

出典

記事内の金額・期限・制度は 2026年10月6日 時点で確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に必ず公式情報をご確認ください。

公的な資料

  1. [1]美容師法(e-Gov法令検索)第7条(美容所以外の場所における営業の禁止)確認日 2026年10月6日
  2. [2]美容師法施行令(e-Gov法令検索)第4条(美容所以外の場所で業務を行うことができる場合)確認日 2026年10月6日
  3. [3]厚生労働省「介護保険制度の概要」(令和7年7月)確認日 2026年10月6日