訪問介護でしてもらえること完全ガイド|3区分・料金・介護保険外で補う方法

親が要介護になり、在宅介護を検討し始めた方へ。訪問介護(ホームヘルプ)は介護保険サービスの中でも利用率が高く、要介護1〜2の方の約4割が利用しています(厚生労働省「令和5年度 介護給付費等実態統計」)。ただし「ヘルパーさんに何でも頼める」わけではなく、身体介護・生活援助・通院等乗降介助の3区分でできる内容と料金が細かく決まっています。本記事では、訪問介護で具体的に何をしてもらえるか・できないことは何か・介護保険外の選択肢まで整理します。私たち親子ナビ編集部は医療・介護の専門家ではありません。具体的なケアプランは担当ケアマネジャーにご相談ください。

訪問介護の3区分(身体介護・生活援助・通院介助)

訪問介護は介護保険法に基づく居宅サービスのひとつで、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅を訪問して提供する介護サービスです。サービスの内容は厚生労働省告示によって3つの区分に明確に分けられています(介護保険法施行規則および「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」)。

訪問介護 3区分の概要
区分 内容 主な作業例
① 身体介護 利用者の身体に直接触れて行う介助 食事介助・入浴介助・排泄介助・着替え・体位変換・服薬介助
② 生活援助 本人の代わりに行う日常生活上の家事 調理・洗濯・掃除(本人居室)・買い物・薬の受け取り
③ 通院等乗降介助 通院時の車両への乗降と移動の介助 介護タクシーへの乗り降り・院内介助・受診手続き支援

「身体介護」と「生活援助」の境界が最重要

同じ「料理」でも、本人と一緒に作って自立を支援すれば身体介護(自立生活支援のための見守り的援助)、本人の代わりに作るだけなら生活援助に分類されます。料金単価は身体介護の方が約1.5倍高い設定で、ケアプランで時間帯ごとに細かく決められます。「何時から何時まで何をするか」は事業者と利用者・家族で事前に明確にしておくことが、後日のトラブル防止につながります。

できること・できないこと一覧

訪問介護で頻出する「これは頼める?頼めない?」を整理しました。判断のポイントは「利用者本人のための日常生活上必要な行為かどうか」です。家族のためのサービスや、日常生活の範囲を超える行為は介護保険では認められません。

項目 頼める 頼めない
調理 本人の食事を作る 同居家族の食事を一緒に作る
洗濯 本人の衣類のみ 家族全員の衣類をまとめて
掃除 本人居室・トイレ・浴室 家族共有のリビング・庭・来客用部屋
買い物 近隣スーパーで日用品・食材 遠方デパート・嗜好品中心の買い物
通院介助 受診のための移動・院内介助 趣味の外出・冠婚葬祭への同行
服薬管理 服薬の声かけ・確認・水の準備 処方箋なしの市販薬選定の判断
調理特殊 普通の家庭料理 おせち・正月料理など特別な手間のかかる調理
ペット ペットの世話・散歩・餌やり
庭仕事 草むしり・植木の手入れ
大掃除 家具移動・窓拭き・エアコン清掃

「できないこと」として挙げた項目は、介護保険では給付対象外という意味であって、介護保険外のサービス(自費)では依頼可能です。詳しくは後述の「介護保険でカバーされない場面」を参照ください。

介護保険の自己負担と料金目安

訪問介護の料金は介護報酬(全国一律の単価×地域加算)で計算され、原則として1割〜3割が自己負担です。所得により負担割合が決まります(厚生労働省「介護保険負担割合証」)。

訪問介護 料金目安(1回あたり / 2024年度介護報酬・地域加算なしの目安)
サービス区分 所要時間 料金総額(10割) 1割負担 2割負担 3割負担
身体介護 20分未満 約1,670円 約167円 約334円 約501円
身体介護 20〜30分未満 約2,500円 約250円 約500円 約750円
身体介護 30分〜1時間未満 約3,960円 約396円 約792円 約1,188円
生活援助 20〜45分未満 約1,790円 約179円 約358円 約537円
生活援助 45分以上 約2,200円 約220円 約440円 約660円
通院等乗降介助 1回 約990円 約99円 約198円 約297円

※上記は2024年度介護報酬の概算で、地域区分加算・処遇改善加算・特定事業所加算等で実際の請求額は変動します。正確な料金は契約前に事業者から重要事項説明書を受け取って確認してください。

支給限度額を超えたら全額自己負担

介護保険には要介護度別の支給限度額(区分支給限度基準額)があり、これを超えた利用分は10割自己負担になります。たとえば要介護1の限度額は167,650単位/月(約16万7千円相当)。訪問介護を毎日2時間使うと月60時間=身体介護換算で軽く限度額に達するため、福祉用具レンタルやデイサービスとの組み合わせで全体最適を図るのがケアマネの腕の見せどころです。

利用までの5ステップ

訪問介護を利用するには、まず要介護(要支援)認定が必要です。認定済みの方は③から始めてください。

STEP 1
市区町村窓口で要介護認定を申請
本人または家族が市区町村の介護保険窓口へ申請。地域包括支援センターでも受付可。申請から認定まで原則30日以内。
STEP 2
認定調査・主治医意見書
調査員が自宅訪問し74項目の聞き取り。主治医が意見書を提出。両者を基に介護認定審査会が要支援1〜要介護5を判定。
STEP 3
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)に相談
要介護1以上は居宅介護支援事業所のケアマネ、要支援は地域包括支援センターが担当。本人・家族の希望をヒアリング。
STEP 4
ケアプラン作成・訪問介護事業所と契約
ケアマネが訪問介護を含むケアプランを作成。提案された事業所と契約(複数社を比較してから決めてOK)。
STEP 5
サービス開始
ヘルパーが指定の曜日・時間に訪問開始。ケアプランは原則3か月ごとに見直し。状態変化があれば随時相談可。

事業所選びのチェックポイント

ケアマネが複数事業所を提案してくれます。比較時は①対応可能な時間帯(早朝・夜間・土日祝)②同性介助への対応③緊急時の連絡体制④特定事業所加算の有無(質の指標)を確認しましょう。「どの曜日・時間も同じヘルパーが来てほしい」という希望は、事業所の人員体制次第なので必ず事前に伝えてください。

介護保険でカバーされない場面と選択肢

ここまで見てきた通り、訪問介護(介護保険)は「本人の日常生活に必要な行為」のみが対象です。実際に在宅介護をしていると、以下のような場面で「介護保険の壁」を感じることが多くあります。

  • 家族の食事も一緒に作ってほしい(同居家族分は対象外)
  • 草むしり・庭木の手入れをしてほしい(日常生活の範囲外)
  • 正月・お盆だけ親戚が集まるので大掃除を頼みたい(臨時の家事は対象外)
  • 結婚式・お墓参りに同行してほしい(冠婚葬祭は対象外)
  • 夜間〜深夜に急に体調が悪くなったとき来てほしい(夜間対応型訪問介護を契約していなければ難しい)
  • 1回2時間以上連続で見守ってほしい(介護保険のサービス時間枠を超える)
  • 家族が出張で不在の数日間、宿泊して見守ってほしい(介護保険外)
  • ペットの世話を一緒にしてほしい(対象外)

こうした「介護保険ではカバーされない」場面では、介護保険外の自費サービス(オーダーメイド介護)を併用するという選択肢があります。介護保険のように区分や時間制限がないため、家族が本当に必要としているサポートをピンポイントで依頼できます。

介護保険外サービスという選択肢
  • イチロウ: 24時間365日対応の介護保険外オーダーメイド訪問介護。介護保険では認められない「家族の食事準備」「旅行同行」「深夜の付き添い」「冠婚葬祭の同行」なども依頼可能。介護福祉士・初任者研修修了者が中心で、ケアマネと連携しながら介護保険サービスの隙間を埋める使い方ができる

▶ イチロウ 公式サイトで無料相談・見積もりを取る

※「イチロウ」は当サイト編集部が比較した中で、介護保険外サービスとして24時間対応・オーダーメイド対応の観点で推奨できる選択肢の1つです。介護保険サービスとの併用設計はケアマネジャーと相談の上、ご家族で決定してください。料金は自費のため、利用前に必ず見積もりを取ってください。

介護保険外サービスを使う前にケアマネへ一言

介護保険サービスと自費サービスを併用する場合、担当ケアマネジャーに必ず共有してください。ケアマネはケアプラン全体を把握する立場なので、自費サービスを知らないと提案するスケジュールが噛み合わなくなります。「介護保険ではカバーされないこの部分を自費で埋めたい」と相談すると、ケアマネ側もより現実的なケアプランを組み直しやすくなります。

よくある質問

家族が同居していても訪問介護は使える?

使えますが、生活援助は「同居家族が障害・疾病等で家事ができない場合」に限るという運用ルールがあります(地域差あり)。家族が日中働いていて家事ができない時間帯に限定して認められるケースが多いので、ケアマネ経由で市区町村の保険者と相談してください。

毎日同じヘルパーに来てもらえる?

事業所の人員体制次第です。固定担当制を取っている事業所もあれば、シフトでローテーションする事業所もあります。「できるだけ同じ人がいい」という希望は契約前に伝え、難しい場合は引き継ぎノートの運用が徹底されているかを確認しましょう。

身体介護と生活援助は同じ訪問でまとめられる?

可能です。「身体介護中心型」「生活援助中心型」のように主たる行為で区分が決まります。たとえば30分の入浴介助+15分の洗濯なら身体介護中心型として算定されることが多いです。詳細はケアプランに記載されます。

夜間や早朝にヘルパーを呼べる?

通常の訪問介護でも早朝(6〜8時)・夜間(18〜22時)・深夜(22〜6時)は対応可能ですが、事業所が対応時間帯を限定していることが多く、深夜帯に対応できる事業所は限られます。深夜含めた24時間対応が必要なら「夜間対応型訪問介護」または介護保険外の自費サービスを検討してください。

訪問介護を使うと家族の介護負担はどれくらい減る?

ケースバイケースですが、身体介護(入浴・排泄)を週2〜3回外部委託すると、家族の身体的負担は体感で4〜5割減という声が多いです。一方で精神的な見守り疲れは残るため、デイサービスやショートステイの併用、介護保険外サービスの活用を組み合わせるのが現実的な選択肢です。