介護

介護タクシーの料金の仕組み|通院・冠婚葬祭で使える?介護保険との関係

結論この記事の答え

通院等乗降介助の自己負担(1割負担)

1回97円の目安[2]

運賃は別に全額自己負担。地域や加算で変わります

  1. 介護タクシーの料金は「運賃+介助料+車いす・ストレッチャーなどのレンタル料(+待機料)」の合計。
  2. 介護保険の「通院等乗降介助」は、要介護1〜5でケアプランに組み込まれた通院などに使え、運賃は対象外。
  3. 冠婚葬祭や旅行は自費。予約時に総額の見積もりと、待機料・キャンセル料を必ず確認する。
家と介護施設、福祉車両を道でつないだイラスト
要点(介護保険の通院等乗降介助)
対象要介護1〜5の認定を受けた人[1]ケアプランへの位置づけが必要
相談先ケアマネジャー・地域包括支援センター
自己負担の目安1回 97円(1割負担の場合)[2]介護サービス情報公表システムの目安。地域・加算で変わる
運賃介護保険の対象外(全額自費)[1]

親の通院や退院、冠婚葬祭で「車いすのまま乗れるタクシーが必要になった」という方へ。介護タクシーの料金は、運賃・介助料・機材のレンタル料などを合計して決まります。

介護保険が使える場面と自費になる場面で負担が大きく変わるため、仕組みを整理しておきましょう。

親子ナビ編集部は医療・福祉行政の専門家ではありません。介護保険が使えるかどうかは、担当のケアマネジャーや市区町村の介護保険の窓口に確認してください。

介護タクシーとは(福祉タクシーとの違い)

「介護タクシー」は法律上の正式な名前ではなく、通称です。実際には大きく2つのサービスが含まれます。

介護保険の通院等乗降介助と自費の福祉タクシー
比べる項目通院等乗降介助(介護保険)福祉タクシー(自費)
内容訪問介護事業所のヘルパーが自ら運転する車への乗り降りや移動を介助する、訪問介護のサービスの一つ車いすやストレッチャーのまま乗れる車両で、目的を問わず送迎する
主な利用者要介護1〜5の人(通院などに限る)誰でも(冠婚葬祭・買い物・旅行も可)
ケアプランケアマネジャーが作成するケアプランへの位置づけが必要不要
費用介助の部分は1〜3割負担。運賃は全額自己負担全額自己負担
2026年10月6日 時点で確認した内容です。

介護保険の訪問介護のうち「通院等乗降介助」は、通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助とされています[1]。友人宅への訪問や結婚式への参列といった目的には使えず、自費の利用になります。

看板の呼び方より「契約の中身」を確認

1つの事業者が介護保険の利用と自費の利用の両方を扱っていることも多く、看板に「介護タクシー」「福祉タクシー」のどちらが書かれていても実態は似ていることがあります。

料金は3つ(+待機料)の組み合わせで決まる

介護タクシーの料金の内訳

運賃 + 介助料 + 機材のレンタル料 + 待機料 = 総額

  • 運賃[4]

    距離制または時間制

    タクシーとして届け出た運賃で計算される。迎車料金の有無も確認

  • 介助料

    事業者により異なる

    どこからどこまでの介助が含まれるか、階段の介助は別料金か

  • 機材のレンタル料

    事業者により異なる

    車いす・リクライニング車いす・ストレッチャーなど。自分の車いすを持ち込めるか

  • 待機料

    事業者により異なる

    診察中などに運転手が待つ場合。何分単位でいくらか

総額

事業者・地域・利用時間で大きく変わります

※介護保険の通院等乗降介助を使う場合も、運賃は全額自己負担です。

料金表は事業者や地域ごとに大きく異なります。予約の時点で「運賃・介助料・レンタル料・待機料を含めた総額の目安」を必ず聞きましょう。

待機料にも注意

診察の待ち時間に運転手が待機すると、時間に応じた待機料がかかることがあります。検査が長引きそうな日は、行きと帰りを別々に予約したほうが安くなる場合もあります。

介護保険を使う場合と自費の場合

介護保険の「通院等乗降介助」を使うと、介助の部分が介護保険の対象になり、自己負担は所得に応じて1〜3割です。運賃は介護保険の対象外で、全額自己負担になります[1]。

条件 内容
要介護認定 要介護1〜5(要支援1・2は対象外)
目的 通院など、日常生活に必要な外出に限られる
ケアプラン ケアマネジャーが作成するケアプランに位置づけられている
事業者 指定を受けた訪問介護事業所が提供する

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、通院等乗降介助の利用者負担の目安は1回97円(1割負担の場合)とされています[2]。地域や加算によって金額は変わり、これとは別に運賃がかかります。冠婚葬祭・観光・家族宅への訪問などは自費になります。

自治体の助成制度も確認を

市区町村によっては、要介護認定を受けた人や障害者手帳を持つ人などに、タクシー料金の一部を助成する券を交付しています。対象や金額は自治体ごとに異なり、申請しないと受け取れない場合が多いので、市区町村の高齢福祉や障害福祉の窓口に問い合わせてみましょう。

利用する場面ごとの考え方

定期的な通院

もっとも多い使い方です。月に何度も通う場合は、要介護認定を受けてケアプランに通院等乗降介助を組み込めるか、ケアマネジャーに相談しましょう。

退院・転院

荷物が多く、ストレッチャーが必要なこともあります。病院の医療ソーシャルワーカーに事業者を紹介してもらうと安心です。

冠婚葬祭(自費)

結婚式や葬儀への参列は介護保険の対象外です。待機時間が長くなりやすいので、時間制の料金や待機料を確認し、同乗する家族の人数も予約時に伝えましょう。家族葬の準備については家族葬の費用相場と内訳も参考にしてください。

旅行・お墓参り(自費)

半日や1日の貸し切りで利用することが多い場面です。休憩やトイレの計画も含めて、事業者と相談しておきましょう。

役所・銀行の手続き

相続の手続きで銀行や役所を何か所も回る場合は、1回ずつ頼むより時間制の貸し切りのほうが安くなることもあります。

予約から利用までの流れ

  1. 事業者を探す

    紹介してもらうのが確実です。

    どこで:ケアマネジャー・地域包括支援センター・市区町村の窓口

  2. 予約する

    日時・出発地・目的地・本人の状態(車いすの有無、ストレッチャーの要否)・同乗者の人数・帰りの予約の有無を伝えます。

  3. 概算料金を確認する

    運賃・介助料・レンタル料・待機料の合計を聞き、介護保険を使う場合は自己負担額も確認します。

  4. 当日の利用

    玄関先まで迎えに来る事業者が多いです。支払い方法(現金・カードなど)も事前に確認しておきます。

  5. 帰り

    往復で予約した場合は、診察の終了予定に合わせて迎えに来てもらいます。

費用を抑える3つのコツ

コツ1 自治体のタクシー助成を確認する

対象になっていても、申請しないと交付されない自治体があります。まだ確認していなければ、市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。

コツ2 自分の車いすを使う

介護保険の福祉用具貸与(レンタル)で車いすを借りている場合、それを持ち込めばレンタル料がかからない事業者もあります。

コツ3 往復と片道を使い分ける

診察時間が読めない通院は、行きだけ介護タクシーを使い、帰りは家族の車で迎えに行くなど、待機料を抑える工夫もできます。

公的な相談窓口

  • 地域包括支援センター:市区町村ごとに設置され、介護保険の申請や事業者の紹介について無料で相談できます。
  • 市区町村の介護保険・高齢福祉の窓口:タクシー助成の申請や、事業者の情報を確認できます。
  • 担当のケアマネジャー:すでに要介護認定を受けている場合は、ケアプランへの組み込みを相談します。

介護保険の申請がまだの方は、介護保険の申請の流れ7ステップもあわせてご覧ください。通院の付き添いなど、介護保険の訪問介護で頼める範囲と、保険で足りない場面の補い方は「訪問介護でしてもらえること」で整理しています。

予約する前に確認すること

※チェックはこの端末にだけ保存されます

よくある質問

介護タクシーは介護保険が使えますか?

要介護1〜5の人が、ケアプランに位置づけられた通院などのために、訪問介護事業所の「通院等乗降介助」を利用する場合に限り、乗降の介助部分に介護保険が使えます。運賃は対象外で、冠婚葬祭や観光は自費になります。

車いすやストレッチャーは事業者で借りられますか?

多くの事業者が車いす・リクライニング車いす・ストレッチャーの貸し出しに対応しています。料金や持ち込みの可否は事業者ごとに違うため、予約時に確認しましょう。

夜間や早朝も利用できますか?

対応する事業者もありますが、時間帯による割増や対応できる事業者の数は地域によって異なります。必要になりそうな場合は、事前に夜間の対応可否を確認しておきましょう。緊急性が高い場合は救急車を呼んでください。

家族は同乗できますか?

自費の利用では同乗を認める事業者が多いですが、人数や料金の扱いは事業者によって違います。予約時に「家族◯人同乗、追加料金は?」と確認しましょう。

キャンセル料はかかりますか?

前日までは無料、当日は料金の一部または全額といった規定の事業者が多いですが、内容は事業者ごとに異なります。体調で予定が変わりやすい場合は、契約時に確認しておきましょう。

まとめ:次にやること

介護タクシーの料金は、運賃・介助料・機材のレンタル料・待機料の合計で決まります。まずは次の3つから始めましょう。

  1. 通院か、冠婚葬祭などの自費の利用かを整理する
  2. 通院ならケアマネジャーに通院等乗降介助を相談する
  3. 予約時に総額の目安と、待機料・キャンセル料を確認する

出典

記事内の金額・期限・制度は 2026年10月6日 時点で確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に必ず公式情報をご確認ください。

公的な資料

  1. [1]介護サービス情報公表システム(厚生労働省)訪問介護(ホームヘルプ)確認日 2026年10月6日
  2. [2]介護サービス情報公表システム(厚生労働省)サービスにかかる利用料確認日 2026年10月6日
  3. [3]介護サービス情報公表システム(厚生労働省)介護保険の利用の流れ確認日 2026年10月6日
  4. [4]国土交通省 自動車:タクシー事業について確認日 2026年10月6日