「日中は家族と過ごし、夜だけ働きたい」「親の介護と両立できる働き方を探している」——そんなニーズで選ばれることがあるのが、夜勤専従(やきんせんじゅう)の介護職です。
夜勤手当が加わるため収入面で魅力がある一方、仮眠の確保・体調管理・労働条件など、事前に押さえるべき点が少なくありません。
この記事では、公的統計と法令をもとに、夜勤専従の給与の見方・メリットとデメリット・求人選びの5基準を整理します。
親子ナビ編集部は医療・労務の専門家ではありません。具体的な労働契約や健康面の判断は、事業所の担当者・社会保険労務士・医師にご相談ください。
夜勤専従とは
夜勤専従とは、夕方から翌朝までの夜勤の時間帯だけ勤務する働き方です。勤務時間は事業所によって異なり、夕方から翌朝までの長時間の夜勤とする事業所もあります。給与は「1夜あたり◯円」と示されることが多く、勤務する回数によって月収が変わります。
給与の見方
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、処遇改善加算を取得している事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円(2024年9月時点。基本給のほか手当や一時金を含む調査上の平均)です[1]。保有資格別では、介護福祉士が350,050円、実務者研修が327,260円、介護職員初任者研修が324,830円、資格なしが290,620円でした[1]。
夜勤専従の求人では「1夜あたり◯円」と示されることが多く、その金額は地域、施設の種類、夜勤の人数、資格の有無で大きく変わります。比べるときは次の点を確認しましょう。
- 1夜あたりの金額に、深夜割増賃金や各種手当が含まれているか
- 月に何回まで勤務できるか(最低回数・上限回数)
- 賞与・退職金・社会保険の扱い(非常勤・パートの場合は特に)
夜勤専従のメリット・デメリット
| 比べる項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 給与 | 夜勤の手当や深夜割増がつき、少ない勤務回数でも収入を得やすい | 賞与・昇給・退職金がない、または少ない契約もある |
| 勤務時間 | 日中の時間を家族・通院・家事などにあてやすい | 生活リズムが昼夜逆転しやすい |
| 業務内容 | 巡回・記録・ナースコール対応などが中心 | 1人夜勤の場合、急変時の判断の負担が大きい |
| 人間関係 | 夜間は少人数で、関わる人が限られる | 相談できる相手が少なく、孤立しやすい |
| キャリア | 夜間の観察や緊急対応の経験が積める | 日中の多職種連携や家族対応の経験は積みにくい |
向いている人・向いていない人
向いている人
- 日中に確保したい予定がある人(子育て・家族の介護・通院・学業など)
- 夜型の生活リズムが得意な人
- 巡回や記録など、決まった業務を着実にこなすのが苦にならない人
- 1人で判断し行動することに抵抗が少ない人(1人夜勤の施設の場合)
向いていない人
- 家族と食事の時間をそろえる生活を崩したくない人
- 持病がある人(高血圧・糖尿病・睡眠障害など)。必ず医師に相談を
- 多職種との連携や家族支援にやりがいを感じたい人
- 主任や施設長などのキャリアアップを目指す人
夜勤専従求人の探し方
方法1 介護職専門の求人サービスで「夜勤専従」を絞り込む
介護職に特化した求人サービスでは、「夜勤専従」「夜勤のみ」などの条件で求人を探せることがあります。担当者がいるサービスなら、夜勤の人数・仮眠の取り方・夜勤手当の内訳など、求人票に書かれていない情報を確認してもらえる場合もあります。
方法2 派遣で短期から始める
「いきなり月に何回も夜勤をするのは不安」という場合は、派遣で少ない回数から始めて、自分に合うか確かめる方法もあります。
方法3 副業として本業と両立する
本業の就業規則で副業が認められているかを必ず確認しましょう。労働基準法第38条により、事業場が異なっても労働時間は通算されます[2]。健康面への影響も含め、無理のない回数にとどめることが大切です。
方法4 ハローワークや直接応募と併用する
地域の小規模な事業所は、ハローワークや施設のホームページからの直接応募で見つかることもあります。条件交渉は自分で行う必要があるため、確認したい点を事前にまとめておきましょう。
1社だけで決めず、複数のサービスや求人を比べて、条件が自分に合うかを確かめましょう。
介護JJに無料登録する求人選びでチェックすべき5項目
- ①夜勤の体制(1人夜勤か複数か):担当する利用者の人数と、急変時の連絡体制(看護職員へのオンコールなど)を確認します。
- ②仮眠・休憩の時間と実際の運用:労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要です(第34条)[2]。呼び出しに対応するため待機している時間は、労働時間として扱われる場合があります。
- ③夜勤手当の金額と内訳:「1夜◯円」の内訳(基本給・夜勤手当・深夜割増)を確認します。午後10時〜午前5時の労働には2割5分以上の深夜割増が必要です(第37条)[2]。
- ④利用者の介護度・医療的ケアの状況:介護度の重い利用者が多い、医療的ケアが必要な人が多いなど、夜間の業務量を左右する条件を確認します。
- ⑤健康診断・労災の体制:深夜業従事者の6か月以内ごとの健康診断[3]を実施しているか、夜勤中のけがへの対応が明確かを確認します。
家族の介護と仕事の両立に悩んでいる場合は、仕事を休んで介護の体制を整える介護休業給付金の制度もあわせて確認してください。


