夜勤専従介護の給与相場(施設形態別)
夜勤専従とは、夜勤帯(おおむね16:00〜翌9:00、または17:00〜翌10:00)のみで勤務するシフト形態を指します。1夜あたりの基本給+夜勤手当が一括で「1夜◯◯円」として提示されることが多く、月10回前後の勤務で常勤介護職と同等以上の月収を得られるのが特徴です。
| 施設形態 | 1夜あたり相場(都市部) | 月収目安(月10夜) |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 約28,000〜35,000円 | 約28〜35万円 |
| 介護老人保健施設(老健) | 約27,000〜33,000円 | 約27〜33万円 |
| 有料老人ホーム | 約25,000〜32,000円 | 約25〜32万円 |
| グループホーム | 約22,000〜28,000円 | 約22〜28万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 約20,000〜26,000円 | 約20〜26万円 |
※公益財団法人 介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査」および主要介護求人サイト掲載データ(2026年4月時点)を編集部が集計したレンジです。地域・夜勤体制(1人夜勤か2人夜勤か)・資格(介護福祉士・実務者研修修了者・無資格)で大きく変動します。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では、介護職員(常勤)の平均所定内給与は約25万円ですが、夜勤専従はこれに夜勤手当(1回4,000〜10,000円)を上乗せする構造のため、月8〜10夜で常勤を上回るケースも珍しくありません。ただし賞与・退職金が薄い・出ない事業所もあり、年収ベースでは差が縮まる点に注意が必要です。
夜勤専従のメリット・デメリット
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 給与 | 1夜25,000円〜の高単価。月10夜で月収25〜35万円 | 賞与・昇給が薄い、退職金なしの事業所も |
| 勤務時間 | 日中は完全フリー。家族との時間・通院・副業可能 | 生活リズムが昼夜逆転しやすい |
| 業務内容 | 巡回・記録・コール対応中心。日中の入浴介助・レクなし | 1人夜勤の場合、急変時の判断負荷が高い |
| 人間関係 | 夜間は最小人数。日中スタッフとの軋轢が少ない | 相談相手が物理的に少ない、孤独感 |
| キャリア | 夜勤に特化したスキル(緊急対応・観察)が深まる | 日中の多職種連携・家族対応の経験は積みにくい |
厚生労働省「介護労働者の労働実態と意識」(2024年版)では、夜勤専従者の離職理由トップは「体調不良」と「孤独感」で、給与不満は4位以下です。つまり「お金は良いが、続けるには体調管理と相談先確保が鍵」という構造を、事前に理解しておく必要があります。
向いている人・向いていない人
夜勤専従が向いている人
- 日中に確保したい予定がある人(子育て・親の介護・通院・大学院通学・副業)
- 短期間で集中的に稼ぎたい人(住宅ローン繰上返済・教育費準備・独立資金)
- 夜型の生活リズムが元々得意な人(深夜帯に集中力が落ちにくい体質)
- ルーチンワークが苦にならない人(夜間は巡回・記録など定型業務が中心)
- 1人で判断・行動するのが苦にならない人(1人夜勤施設の場合)
夜勤専従が向いていない人
- 家族と夕食・朝食を一緒に取る生活を崩したくない人
- 持病(高血圧・糖尿病・睡眠障害等)を抱えている人 ※医師相談必須
- 多職種連携・家族支援にやりがいを感じたい人(日中シフトの方が向く)
- 長期的にキャリアアップ(主任・施設長)を目指す人
※持病がある方は、夜勤申込前に必ずかかりつけ医に相談してください。労働安全衛生法では、深夜業従事者に対し6ヶ月以内ごとに健康診断が事業者に義務付けられています(同法第66条)。
夜勤専従求人の探し方(専門サイト・副業可否)
探し方1: 介護専門の転職サイトで「夜勤専従」フィルタ
もっとも効率的なのが、介護職特化の転職サイトで「夜勤専従」「夜勤のみ」のフィルタを使う方法です。総合転職サイトより求人数が多く、施設の夜勤体制(1人夜勤/2人夜勤)・仮眠時間・夜勤手当の単価まで担当者経由で詳細に確認できます。
探し方2: 派遣・スポット型サービスで単発から始める
「いきなり月10夜は不安」という方は、まず派遣・スポット勤務で1〜2施設を体験してから決めるのも有効です。派遣会社経由なら時給制(2,000〜2,500円)で、1施設あたり月1〜2夜から契約可能なところもあります。
探し方3: 副業として現職と両立する場合の確認事項
本業の就業規則で副業が許可されているかを必ず確認してください。許可制の場合は申請書類を提出。合算労働時間が週40時間+時間外の上限規制(月45時間)に抵触しないかも要注意です(労働基準法第32条・36条)。
探し方4: ハローワーク・直接応募との併用
地域密着の小規模事業所はハローワークや施設HP直接応募で見つかることも。ただし条件交渉のサポートがないため、初めての夜勤専従なら専門エージェント1社+派遣1社の併用を私たち編集部は推奨します。
求人選びでチェックすべき5項目
- ① 夜勤体制(1人夜勤か2人夜勤か): 1人夜勤の場合、入居者数20名以下が目安。それ以上は急変時のリスクが上がる
- ② 仮眠時間の有無と長さ: 法的義務はないが、2時間以上の仮眠が確保されている事業所が望ましい(労働基準法上、仮眠時間が「労働からの解放」と認められれば休憩扱い)
- ③ 夜勤手当の単価と算定基礎: 「1夜◯◯円」の内訳(基本給+夜勤手当+深夜割増)を確認。22:00〜翌5:00は深夜割増25%以上が法定(労働基準法第37条)
- ④ 入居者の介護度・医療依存度: 重度者中心(要介護4-5・喀痰吸引あり)は夜間業務が重く、仮眠が取れないリスク
- ⑤ 健康診断・労災保険の整備: 深夜業従事者向けの6ヶ月毎健診を実施しているか、夜勤中の事故に対する労災適用が明確か
- 介護JJ: 介護・福祉専門の転職サイトとして10年以上の運営実績。介護職応援プロジェクトを実施しており、エージェント型で夜勤専従・夜勤のみ求人の絞り込み検索に対応。1人夜勤か2人夜勤か・仮眠時間の長さなど、求人票に書かれない情報も担当者経由で確認できます。利用は無料です。
※「介護JJ」は当サイト編集部が比較した中で、介護職特化の専任サポートと求人数の観点で推奨できる1社です。複数のエージェントを併用し、ご自身に合う担当者を見つけることをおすすめします。
副業・セカンドキャリアとして「介護美容」も視野に
夜勤専従で平日昼間に時間が空く方の中には、美容師・エステティシャン経験を活かして「ケアビューティスト(介護施設訪問美容師)」を兼業するケースも増えています。介護美容研究所では資格取得から就業支援まで対応しており、夜勤+昼間の訪問美容という二刀流の働き方も可能です。
よくある質問
夜勤専従の仮眠時間は必ず取れますか?
法的義務ではないため、事業所により異なります。労働基準法では8時間超の勤務に1時間以上の休憩義務がありますが、仮眠は「休憩」として扱われない場合もある(待機を求められると労働時間扱い)ため、求人票だけでなく面接で具体的な運用を確認してください。一般には2〜3時間の仮眠を設定する事業所が多いですが、コール対応で実質取れない現場もあります。
未経験・無資格でも夜勤専従はできますか?
制度上は可能ですが、夜間は少人数体制で急変対応も求められるため、多くの事業所では初任者研修以上+日勤での実務経験6ヶ月以上を応募条件にしています。未経験で介護を始めたい方は、まず日勤シフトで経験を積んでから夜勤専従に移行する方が現実的です。
本業がある場合、副業として夜勤専従はできますか?
本業の就業規則で副業が認められていれば可能です。ただし労働基準法第38条により、複数事業所での労働時間は通算され、合計が週40時間を超えると割増賃金が発生します。社会保険・確定申告の手続きも必要になるため、本業の人事担当・税理士に確認の上、開始してください。
夜勤手当の最低額に法的決まりはありますか?
「夜勤手当」自体に法定額はありません。ただし22:00〜翌5:00の労働には深夜割増25%以上(労働基準法第37条)が義務付けられています。求人票で「1夜30,000円」と提示されていても、内訳に深夜割増が正しく含まれているかは確認した方が安心です。
体調を崩したらすぐ辞められますか?
原則として就業規則に従い、退職の意思表示は1〜2ヶ月前が一般的です。ただし健康上の理由で継続困難な場合は、医師の診断書を添えて事業所に相談しましょう。派遣契約の場合は契約期間途中の解除に違約条件があることが多いため、契約前に解約条件を確認しておくのが重要です。
